Aotti’s diary

色々書いていきます。

もしもあの時スぺちゃんがいたら。

はじめに

この記事は「事故って会社辞めた話」のifリメイク版です。もしあの時スぺちゃんがいたらどうなってたかをあれこれ想像しながら頑張って書きました。

原文が見たい方はこちらから(閲覧注意)→事故って会社辞めた話- はてな

本編

※事故の背景などはごっそり削っています。また物語を成立させる為に表現や出来事を変えてる箇所があります。

スペシャルウィーク→スぺ Aottiー→A

 

その日もいつも通りの日常が流れると思っていた。まさかあんなことになるなんて…

A「じゃあ行ってきます。」

スぺ「行ってらっしゃい。気を付けてくださいね。」

いつも通り。Aottiさんを見送ってのんびりしようと思っていた。

 

AM7:10頃、Aottiさんから電話がかかってきた。普段あまり電話はしてこないので何事だろうと思い電話に出ると衝撃の事実を伝えられた。

スぺ「もしもし?」

A「あぁスぺ?すまない。事故ってしまった...」

この時私は何を言われたのかよく分からなかった。こんな事信じたくなかったのだ。

スぺ「え?今なんて言いましたか?」

T「信じられないかもしれないが事故を起こしてしまったんだ...」

スぺ「えぇ!?そんな...」

A「落ち着いてくれ。事故を起こしたとは言ってもそこまで大きなけがを負ってるわけではない。ただ...家に停めてある車を持ってきてくれないかな?このままでは病院に行けないからね...」

スぺ「...分かりました。ちなみに場所は...」

A「小牧市の萱場倉庫前に停めてある。なるべくすぐに来て欲しい。」

スぺ「分かりました。なるべく早く向かいます。」

 

こうして急遽車を出し運転する事になったのだが時間が朝ラッシュど真ん中という事もありなかなか前に進まない。

スぺ「うぅ...なまら混んでるべ...走っていきたいけどそれだとAottiさんを病院に連れて行ってあげれないし...」

 

約20分後。ようやく現場に到着した。既に警察官やJAFの方、あれはAottiさんが勤める会社の方だろうか。そしてAottiさんの車に他2台。事故の感じ的に3台の玉突きを起こしたのだろう。まずはAottiさんを探さなければ。

スぺ「Aottiさーん!どこにいますかー!」

A「スぺ!良かった!来てくれたのか!」

スぺ「あっ!ここにいたんですか!」

A「そうだよ!来てくれてありがとう!」

警察官「すみません。Aottiさんの関係者という事でよろしいでしょうか。

スぺ「はいそうです。この度は本当に申し訳ありません。」

警察官「我々は大丈夫です。既に本人様と話はさせて頂きました。かなり落ち込んでいらっしゃるので良ければお話してあげてください。」

スぺ「ご丁寧にありがとうございます。」

警察官「いえいえ。あと本人様、体の痛みを訴えているのでこの後出来る限り早めに病院の方受診させておくようにしておいてください。」

スぺ「分かりました。」

スぺ「Aottiさーん!車を持ってきました!今からすぐ病院に行きましょう!」

A「いやそんな申し訳ないよ。自分が事故起こしたのに真っ先に離れるなんて...」

スぺ「事故の衝撃ってあとから来るんですよ?このまま放置していて後で大変な事になってしまう方がよっぽど迷惑になります!」

A「それは...うん。そうだな。わかった。病院に連れて行って欲しい。」

スぺ「分かりました!それではすぐに病院に向かいます。この時間だとまだどこも開いてないので春日井市民病院で大丈夫ですか?」

A「そこで大丈夫。お願いしたい。」

スぺ「分かりました。では行きますね!」

 

それから約30分。春日井市民病院に到着した。すぐにAottiさんは様々な検査にかけられたが結果的に大きな異常はなし。低速度とはいえ打撲で済んだだけ幸運だったということにしておこう。

その間にもAottiさんは保険会社さんなどに電話をしていた。いくら本人の責任とは言え可哀そうに思えてきてしまう。

 

帰ってきてからしばらくするとまたAottiさんの元に電話がかかってきた。

スぺ「電話鳴ってますよ?」

A「あぁ...分かっている...」

しかし、明らかにAottiさんの様子がおかしい。僅かではあるが体が震えている。

私にはこれが良く分かる。恐怖を感じているのだと。

約15分後、電話が終わった。

スぺ「さっきの電話は何だったんですか?だいぶ長かったですが...」

A「あぁ...会社からだよ...今後の事で色々話していて...」

スぺ「ほかにも何か話していませんでしたか?」

A「いやそれだけ。他は特に...」

しかし私の眼は誤魔化せない。きっと何か隠している。そう確信して質問してみた。

スぺ「本当に何も話していませんか?もし嘘をついていたらさすがの私でも怒りますよ?」

A「うっ...いや...その...」

スぺ「今なら許します。正直に話して欲しいです。」

A「...君には敵わないな。分かった。全部話すよ。」

 

それからAottiさんは隠していた事を色々話した。話している時の表情は見てられなかった。半ば泣きながら話している辺り今まで本当につらい思いをしていたのだろう。

私は黙って話を聞きながら時に同情していた。しかし...

A「今回の事故を持ってしばらく車通勤はやめようと思うんだ。」

スぺ「でもそうしたらどうやって会社に行くんですか?」

A「自転車で行くだけ。というかずっとそうなるかな...」

スぺ「どうしてですか?もう車は乗りたくないんですか?」

A「そりゃ乗りたい。だけど...」

スぺ「だけど?」

A「...実は会社の、まぁ直属の上司か。『お前はもう車に乗らない方が良い。事故を起こすなんて、しかもアクセルとブレーキ間違えるとかありえないから。』って言われてしまってね...」

スぺ「...」

A「はは...まぁそうだよな...こんな事、無いよな...」

しかしこの時既に私は闘志を燃やしていた。レースの時とは違うもの。具体的には怒り。

なぜここまで言われる必要があるのか。一回事故を起こしただけで運転が向いていないと言える筋合いはあるのか。本当に無いなら免許なんて取得できないはずだ。

Aottiさんは気弱で優しい。だからこそここまで言われてしまうのだろう。

その気弱さに漬け込んで色々言いまくる最低な野郎を駆逐しなければ。

スぺ「Aottiさん。明日は会社を休むこと伝えてますか?

A「まぁさすがにね。正直もう二度と行きたくない所ではあるけど...」

スぺ「会社の始業時間って何時ですか?」

A「8時半だけど...どうして?」

スぺ「いや!ちょっと気になっただけです!」

A「?まぁ良いけど...」

スぺ「それじゃあ今日はもう遅いので寝ましょうか。念のため会社からの連絡は全部ブロックしておいてくださいね。」

A「???そんなことしたら状況の共有が出来ないじゃん」

スぺ「大丈夫です。今は私を信じてください。」

A「分かったけど...頼むから変な事はしないでね?」

スぺ「分かってます。それじゃおやすみなさい。」

A「うん。おやすみ。」

 

翌日、私はいつもより少し早く起きた。6:00になるといつも通りAottiさんも起きてきた。

A「おはようスぺ。今日は早いね。」

スぺ「おはようございます。今日はいつもより少し早く起きてしまって...」

A「まぁそういう時もあるよね。」

何てことない普通の会話。しかし私にはある計画がある。

朝ごはんを食べて8:20頃...

スぺ「Aottiさん!ちょっと遠くまでランニングしてきても良いですか?」

A「あぁ良いよ。今日は特に予定もないし気が済むまで走っておいで。」

スぺ「ありがとうございます!それじゃあちょっと行ってきますね!」

Aottiさん。ごめんなさい。今日だけ私は悪い子になります。今から変な事を起こしてきます。

 

家から走って約10分。私はとある場所に到着した。
本気を出せば時速70km/hにもなるこの身体は本当に都合が良い。

時刻は8:30。今しかない。

???「それでは今日も頑張りま...」

スぺ「すみません。」

???「...誰ですか?というかどうやって入って来たんですか?」

スぺ「SECOM借りたので普通に入ってきました。」

???「...まぁ良いでしょう...それでどんな用ですか?」

スぺ「お許しありがとうございます。私はAottiさんと一緒に暮らしてるスペシャルウィークという者です。」

上司「あぁ...あの時の...それで用件は...」

スぺ「実はAottiさんについて話がありまして。まず車の運転向いてないって言ったのは本当ですか?」

上司「本当です。だってありえないでしょう。あなたも失望したんじゃないですか?」

スぺ「はぁ...分かりました。では次です。Aottiさんの事を現場の方々で半ばいじめていたというのは本当ですか?」

上司「私は知りません。というか何も相談が無かったのでいじめてはいないはずです。」

スぺ「でも家の中だと凄くつらそうな顔をしていましたよ?もう会社に行きたくない。話したくないって。」

上司「...ちょっと本人呼んでもらえますか?直接話が..」

スぺ「聞いてましたか?本人はここに来たくないんですよ。」

上司「...何が望みですか?こっちもそろそろ仕事をしなければ...」

スぺ「それもそうですね。では端的に話を終わらせましょうか。」

スぺ「Aottiさんをこの職場から退職させてください。」

上司「それは無理です。本人に退職届を持ってくるよう言ってください。」

スぺ「はぁ...そうですか...」

おもむろに歩き出した...と思った次の瞬間!

ズドン!ゴゴォ...

スペシャルウィークはなんと拳で床をたたき割ったのだ!

上司「え!?」

その他社員たち「!?」

スぺ「言い忘れてましたが私はウマ娘です。あなたたちの何倍もの力を持っています。退職を認めないとどうなるか分かりませんよ?」

上司「くっ...!分かりました。退職を認めます。ただし連絡は...」

スぺ「したらどうなるかわかっていますよね?」

上司「...はい...」

スぺ「ありがとうございます。すみませんこんな朝早くにお騒がせしました。」

 

そして帰宅...

スぺ「ただいまです!」

A「おぉおかえり。随分と遅かったね。」

スぺ「ちょっと色々ありまして...」

A「まぁ良いや。とりあえず1週間をめどに復帰するよ...本当はしたくないけど...」

スぺ「あっ。もう復帰する必要はありませんよ。」

A「えっ?どうして?」

スぺ「実は...かくかくしかじか..という事で...」

A「つまり君は私にランニングすると嘘をついて退職出来るようにやっていたと...」

スぺ「はい。嘘ついて、そして勝手な事をやってごめんなさい...」

A「...」

Aottiはしばらく考えていた。そして...

A「...本来なら怒らなければいけない。しかしまぁ。なんだ。その...まぁ助けてくれたわけだし。今回については特に何も言わない。むしろありがとうと言いたいぐらいだよ。」

スぺ「本当ですか?こんな事してしまったのに...」

A「良いってことよ。ただしウマ娘の力をあまりむやみに出さないように。それだけは覚えておいて。」

スぺ「分かりました。」

A「よし。話は終わり。もうこんな時間だし昼ご飯食べよう。」

スぺ「はい!」

Aottiさんはたくさんのやるべきことに相変わらず難しそうな顔をしている。しかしその顔がどこか緩んで見えたのはきっと気のせいではないだろう。

おわりに

どうも。Aottiです。懲りずに小説もどきの2作目を作りました。

もしもあの事故、そしてその後の状況の時にスぺがいたらどうなるか色々想像しながら作りました。スぺならきっと助けてくれるはず...

さて。これが今年最後の記事になります。来年は色々書いていきたいなと思いながら。

小説製作は難しいですがもう少し頑張っていきたいですね。

余談ですが例のフィットは10円で買い取りという事になりました。もっと早く言ってほしかった...

では機会があればまたどこかで。そしてよいお年を。